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堂場瞬一『沈黙の終わり 上』30年間隠ぺいされてきた誘拐事件を追う新聞記者コンビ

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沈黙の終わり 上 表紙

『沈黙の終わり・上』は新聞記者が主役として事件を追う様子を描いた、堂場瞬一さんの小説です。

千葉県内で発生した幼女誘拐事件を皮切りにして、30年間隠され続けてきた事件を嗅ぎつけた千葉と埼玉に住む新聞記者コンビ。

2人が周囲の記者らと関わりながら、事件の真相を解明する物語です。

ベテランと若手の記者コンビが取材する事件は、はたして無事に真相にたどり着くのでしょうか?

こんな人におすすめ

・警察小説や、社会派ミステリーが好きな方

・新聞記者の仕事に興味がある方

・ページ数が多くボリュームがある小説が好きな方

文香

警察小説やスポーツ小説で人気が高い、堂場瞬一さんの『沈黙の終わり・上』をご紹介します。

本作は堂場さんいわく、小説家としてデビューしてから「20年掛けて築きあげてきたことが形になった」作品だそうです。

上巻と下巻にわかれており、かなり読み応えがあります。

知られざる新聞記者の世界も垣間見え、思わずのめり込んでしまう小説でした。

   

この記事を書いているのは
読書ブロガー/Webライター
文香

年間300冊以上の本を読む読書愛好家です。小説、サブカル、ビジネス書、実用書、マンガ、雑誌とあらゆる本を読みます。本の魅力を伝えたくてブログをはじめました。以前は、本好きが高じて図書館に勤務していました。現在は、複数ジャンルで活動するWebライターです。

詳しいプロフィールはこちら。

   

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目次

『沈黙の終わり・上』の概要

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『沈黙の終わり・上巻』はこんな本です

タイトル沈黙の終わり・上
著者堂場 瞬一(どうば しゅんいち)
出版社 角川春樹事務所
初版発行2021年4月18日
価格1,700円+税

『沈黙の終わり・上』の著者

『沈黙の終わり・上』の著者 堂場瞬一さん はこんな人です。

堂場瞬一さんは1963年茨城県生まれで、青山学院大学経済学部卒業の小説家です。

2000年にスポーツ小説『8年』で小説すばる新人賞を受賞し、小説家としてデビューしました。

   

2001年に第1作を出版し、2021年には20周年を迎えました。

数々の警察小説やスポーツ小説がヒットし、多くのファンを熱狂させています。

警察小説では『刑事・鳴沢了シリーズ』や『警視庁失踪課・高城賢吾シリーズ』が人気です。

スポーツ小説では野球を題材にした作品や、箱根駅伝とマラソンを題材にした『チームシリーズ』が人気を集めています。

   

毎年多くの作品が出版されており、新作を楽しみに待つファンが多いです。

堂場さんご自身も読売新聞東京本社に勤務していた経験があり、社会部記者やパソコン雑誌の編集者を務めていたそうです。

『沈黙の終わり』は新聞社が舞台になっているため、ご自身の経験がふんだんに盛り込まれているのではないかという期待が高まります。

『沈黙の終わり・上』あらすじ

『沈黙の終わり・上』あらすじ

定年間近の新聞記者、松島慶太は東日新聞柏支局の支局長を務めている。

松島は長年、本社の編集委員として働いてきたベテラン記者だが、胃がんの闘病をきっかけに支局で勤務することになった。

   

ある日松島は、管内の野田警察署にて署長の小野と久しぶりに対面することになった。

旧知の仲である小野との面談中に、野田警察署管内で行方不明になっていた7歳の女の子が、遺体で発見されたという知らせが入る。

さっそく取材に入る松島であるが……。

   

場所が変わり、こちらは東日新聞埼玉支局の県警クラブ。

県警クラブのキャップである古山孝弘は、週刊誌に掲載されていた野田市の女児殺害事件記事を読み、何かがひっかかるような気がした。

   

その原因が何なのかを考えるうちに、あるひとつの事件に思い当たった。

それは、4年前に埼玉県吉川市で起きた8歳女子の行方不明事件。

古山は、当時その現場を取材していたのだった。

   

当時の記事を読み返しながら、古山はあることに気がつく。

それは、2つの事件は県こそ違うが、江戸川を挟んで現場の距離が近いという事実だった……。

そして古山は、対岸の野田市で事件の取材をする松島に連絡を入れる。

古山と松島は以前、一緒に仕事をした仲なのであった。

古山が気づいた事実を松島に伝えたのをきっかけに、物語が進んでいく。

   

過去の事例をさかのぼっていくうちに、2人はある重大な事実に気付き……。

警察が隠ぺいしようとしていることは何なのか……?

その謎を探るべく、県をまたいでタッグを組んだ2人の新聞記者。

ベテラン記者と気鋭の若手記者のコンビ VS 警察の戦いがはじまった。

『沈黙の終わり・上』主要な登場人物

松島慶太東日新聞柏支局の支局長でもある、定年間近の新聞記者。
以前は、本社の編集委員だった。

胃がんでの闘病をきっかけに、働き方を見直し支局勤務に。

30年ぶりに地元である千葉県内に戻った矢先に、
今回の事件について調査することになった。
  
古川孝弘東日新聞埼玉支局の記者クラブにて、キャップを務めている。
新聞記者になって4年目であり、来月には本社への異動が決定している。

本社では社会部配属になる予定だが、
異動前に大きな手土産になるような特ダネを書きたいと狙っている。

松島とは、以前一緒に仕事をしていた。
  

『沈黙の終わり・上』を読んだ感想

『沈黙の終わり・上』を読んだ感想

堂場瞬一さんといえば、警察小説やスポーツ小説で数々のヒット作を生み出している人気作家です。

私も『刑事・鳴沢了』シリーズなどを読んできました。

しかし今回は、普段の堂場作品のように警察や刑事が主役ではありません。

   

主役は、違う県を担当する2人の新聞記者です。

私も普段の堂場作品とはちょっと毛色が違う、社会派ミステリーに興味を持ち読み始めました。

   

もともと堂場瞬一さんは、作家になる前に新聞記者をされていました。

この小説には、ご自身の経験も活かしているのでしょう。

支局、警察の記者クラブ、本社の編集記者など、新聞記者の働き方についても書かれており興味深い内容です。

普段はなかなか知ることができない、新聞記者の裏側も覗けます。

   

上巻と下巻に分かれている大作ですがスピード感があり、あっという間にストーリーに引き込まれます。

上巻を読み終わったタイミングで、この書評を書いていますが下巻の展開が気になります。

  

上巻の終わり時点ではまったく結末が読めず、予想しても外れそうです。

犯人像についても「もしかしてミスリードされているのかな?」と感じます。

おそらく、下巻で大きく畳みかけてくるのでしょう。

大どんでん返しも期待できそうです。

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『沈黙の終わり・上』の中に出てくる名文

一本の記事が―記事になる前の取材が人を追いこみ、傷つけてしまうこともある。古山もそういうことは理屈では分かっていたが、今まで実際に経験したことはなかった

沈黙の終わり・上 286ページ

松島は取材の過程である人物を傷つけ、取り返しがつかなくなったことを後悔していました。

それを見た、古山の様子が上記の文章です。

白熱する報道や取材が、人を追いこむという事実に警鐘を鳴らしています。

現代社会の事件や報道の在り方について、考えさせられる一文です。

『沈黙の終わり・上』まとめ

堂場瞬一さん自身が、20年の集大成と言っているこの小説。

どんなクライマックスを迎えるのでしょうか。

下巻の展開が非常に気になります。

   

この小説は、ボリュームのある小説をじっくり読みたいときにおすすめの1冊です。

物語の世界に没頭したいときにも適しています。

気になった方は上巻から読んでみてください。

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沈黙の終わり 上 表紙

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この記事を書いた人

当ブログ『本のことなど。』の管理人です。
おもしろかった本や役に立つ本を紹介したくて、このブログをはじめました。

年間300冊近くの本を読んでいる読書愛好家です。
本を読まない人生はまったく想像できません。
読書は私にとってのライフワークであり、生きがいです。

書店と図書館は、心癒される大切な場所です。
本好きが高じて、図書館に長年勤務していました。
現在はWebライターをしています。

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